メンターという心強い存在とともに高みを目指してステップアップ
株式会社Medifellow 取締役COO 池田 宇大 氏

柏の葉の新産業創造を牽引するスタートアップ支援「KOIL STARTUP PROGRAM 2022」 では、3社のスタートアップを迎え入れ、各社の事業成長をハンズオンで後押ししています。
今回は、日本人の専門医による海外在留邦人向けオンライン医療相談サービス”Doctorfellow”を提供している「株式会社Medifellow」の取締役COOの池田氏にTEPビジネスプラン作成セミナー(以下、セミナー)の感想と、その後のプログラム期間の意気込みを伺いました。
事業の具体的なアドバイスを得るだけでなく、自分一人では見落としがちな課題に気づくことができた期間
――セミナーを受ける前は事業の構想にどのような課題があると感じていましたか?
現在すでに事業として進めている海外在留邦人向けオンライン医療相談サービスをさらに改善してより良くしたい、また、次に動いていく事業を前倒しで考えたいと思い、早めに次の一手を探すためにプログラムに参加しました。
例えば、国内企業の健保組合や訪日外国人の医療ツーリズム向けに何かできないかなど考えていましたが、33科200人以上の専門医の体制の強みを活かして新たに展開する領域を探し、その事業解像度を高め、必要に応じたご支援をいただけそうな方のご紹介をしてもらいたいと思っていました。
――セミナーを受けてから浮き彫りになった課題はありましたか?
既存サービスである海外在留邦人向けの内容でアドバイスをいくつか受け、確かにまだ改善できることはあるなと改めて感じました。
例えば、今のサービスには無い新しいオプションを作ることなど、今のサービスをより良く、収入増につなげるアドバイスをいただきましたので、それをどうやって実現していくかが新たな課題かと思います。

――セミナー期間の中で一番印象的だったことを教えてください
私はセミナー全4回のうち後半2回のみ参加しました。業務の都合上、前半の合宿セミナーは受講できなかったので途中からの参加になりますが、それでもメンターの方々の熱量や面倒見の良さはひしひしと伝わってきて、気持ちがこもっていると感じました。
メンターが厳しいことを言ってしまうと、受講者が離脱するリスクもあるため、あまりシビアには意見を言わないこと多いと思います。今回のセミナーは、メンターの方々が厳しい意見を言ってくれましたので、愛の裏返しだと思いました。
セミナー各回の事業紹介ピッチ後の質疑応答の時間でも、ちょっと時間が押すくらい、時間を気にせずに事業アイディアを揉んでいくための指導をしてくれました。同じように、受講者同士でも熱い質問を交わしていましたね。
――セミナーを受けて、どのようなことに一番の学びや成長を実感しましたか?
まず、私のプレゼン資料は一般的な医療を知らない人からの目線で見て理解されにくいところがあったのですが、添削していただいて非常にわかりやすくなりました。
また、海外在留邦人向け以外のサービスについてアイディアをいただくことができました。そのうちいくつかはもともと自分の考えに無かったことでしたが、アドバイスをもらったことで前向きに考え、実現に向けて動こうと思えるようになりました。
特に仲間内だけでやっていると考えが凝り固まってしまうので、医療を知らない人から真っさらな目線で指摘してもらえるため、非常に参考になることが多かったです。気づきとか一般的な人の目線や受け止め方を知ることができたのは大きな学びになりました。
それから他の受講者のピッチを聞くことからも刺激をもらえましたね。今後はこれらの学びを取り入れて、次のアクションにつなげて動いていきたいです。
メンターと定期的な面談を交えながら、セミナー期間で見えた今後のアクションの検証を繰り返す実践の5か月間へ
――1か月間どのようなメンタリングを受けてきましたか?
私の場合はメンターの方とミーティングを組んでもらって面談することが多かったです。事業内容やピッチの内容に関して具体的な指摘をいただけるので、非常にアクションしやすかったですね。
例えば、私の場合はプレゼン資料についての指摘で、「資料がシンプル過ぎるので、もっと具体的に33診療科目を全部ズラっと書いてリアル感を出すべき」というアドバイスをもらいました。またその他、今まで私ができていなかったことを指摘されました。
また、受講者の事業の内容に合わせて、メンター自身の経験談や、その知人の方の成功談など、リアルな話をしてもらえることも大変参考になりました。
アドバイスをぼかして言うのは簡単だと思いますが、言われた方はその後、言葉を咀嚼して理解しないといけない。メンターはそこを意識してコメントされていると思いました。
―来年度参加するスタートアップがメンタリングをうまく活用するために、何かアドバイスはありますか?
プログラムを始めるときにゴール設定をしてから進めるといいのかなと思いました。例えば資金調達など、具体的な数字を出して、ゴールをメンターと定数的に握って走り始めて、成果報告書を出すということをするとスパルタ感が出ると思います。ゴールは途中で変わるかもしれないけれどそれはそれでいいですし。数字で成果を出すと、メンター陣もモチベーションが上がるのではないでしょうか?スタートアップ側は頑張ると思いますし。
実際、始まる前の印象としてはもっと淡泊なセミナーかなと思っていましたが、今まで参加したものよりも熱く向き合えましたし、目的を持って参加することでより成果が得られるものだと感じました。

――残り5ヶ月間のプログラムをどのように活用していこうと考えていますか?
今回いただいたアドバイスを受けて、今後は具体的なアクションをしていきたいです。また、プログラムをしっかりやりきるためにも、メンターという家庭教師的な存在がいるので、定期的にオンラインミーティングを組んで、進捗を報告していくという形にしたいと考えています。
こういうセグメントで事業をやったらどうだろうか?と相談したり、実際に企業にあたったり。海外在留邦人向け以外の事業についてはほぼゼロベースなので、うまくいくと思っていても実際はそうはいかないものもあるだろうから、残り5ヶ月間はまずはアクションを起こして数打っていくべき期間なのかなと考えています。そこでしっかりと成果を出して、メンターの方々に恩返しができるといいなと思います。もちろん、自分のためにも具体的な成果を出していけるようにしたいです。
弊社としては、海外在留邦人向け事業はより価値提供できるように引き続きブラッシュアップするとともに、次の展開として、国内の日本人向けと外国人向け事業を考えております。今後のプログラムの中では特に後者の二つについて進めていきたいです。
具体的な動きとしては、国内向けサービスを導入してくれる提携先や知り合いを紹介してもらったりしながら、とにかくリスト化してアプローチしていきます。そこでヒアリングしていく中でアイディアの優先順位を考えて、実践の5ヶ月間にしたいですね。
◆オンライン医療相談サービス|Doctorfellow
海外に駐在/生活を送る日本人の方には、言葉の問題や医療費の問題、現地の医療レベルの問題など多様な理由で、日本人の専門医に受診したいというニーズがあります。株式会社Medifellowは専門医資格を有する200人以上、総合内科など33科の対応科の医師体制で、世界中にいる日本人の医療の不安解消をサポートしています。
セミナー最終日に行われた選抜者プレゼンテーションでは、事業のステップ1として進めている海外日本人向けの医療相談サービスの実績を話すとともに、ステップ2として検討している国内日本人向けサービス、そしてステップ3の外国人向けサービスの事業セグメントの構想を発表しました。
審査員からは、競合優位性や対応科の網羅性、対応地域の妥当性、事業セグメントのSTEPが現実的であるかなどの質問があがりました。

PROFILE
株式会社Medifellow
取締役COO 池田 宇大 氏
岐阜薬科大学薬学部卒 医療機関の経営コンサルティングを経験。大学病院や自治体病院、公的病院の経営改善に通算20病院程度従事。後、HR業界で採用支援コンサルティングを経験。クロスボーダーの転職・就職支援に従事。複数0からの事業開発経験。

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