【インタビュー】 2025.4.21

真のパートナーシップで実現する「試せる街」—柏の葉スマートシティにおける新産業創造の挑戦

KOIL STARTUP PROGRAM 2025では、「試せる街」柏の葉スマートシティを舞台に、地域の暮らしや社会課題と密接に関わり、柏の葉スマートシティの実証フィールドを十分に活用できるプロダクト・サービスである6つを重点テーマとして設定しました。この記事では、本プログラムを通じて柏の葉スマートシティで目指していることを、改めて紹介します。

三井不動産がKOIL STARTUP PROGRAMに取り組む理由とは?

光村氏: 主には二つあります。一つは柏の葉スマートシティの街づくりの方針でうたっている新産業創造です。健康長寿、環境共生と並ぶ重要なテーマであり、街から新しいビジネスが生まれたり、新しい産業を創造していったりすることを目指すのは、この街の存在意義そのものだと思っています。KOIL STARTUP PROGRAMは、これらのテーマを実現していくための重要な取り組みの一つです。

もう一つの理由は、三井不動産が今、産業デベロッパーを標榜する会社になっているということです。三井不動産は、単に建物を建て替えたり街並みをきれいに整えたりするだけでなく、その街から新しいビジネスが生まれ、新しい産業が生まれてくるということ自体に積極的に関わっていく。これが今の我々の、大きなアイデンティティになっているからです。

私たちにとって、KOIL STARTUP PROGRAMはスタートアップ支援プログラムに留まるものではありません。柏の葉をより魅力的なスマートシティに育てていくために、そしてスタートアップと三井不動産のビジネスがお互いに成長していくために、真剣に取り組むパートナー探しと言えます。私たちが「やりたい」と思いながら、なかなか実現できない難しいテーマを、スタートアップとともに挑戦する仕組みだと思っています。

— “試せる街”とはどういうことでしょうか?

光村氏:「試せる街」、これこそが柏の葉ならではの魅力です。 柏の葉は、オフィス、商業施設、住居、ホテル、大学や学校、研究施設、病院、公園など多くの機能が集まったミクストユースの街づくりをしており、またそれらの場所で働き、暮らす人たちによる多彩なコミュニティが存在しています。これらを活用することで、幅広い領域で本格的な実証に取り組めるのです。

三井不動産はこれまでも、柏の葉を舞台に、スタートアップのみならず大企業やアカデミアや研究機関などと、共同の実証プロジェクトに数多く取り組んできました。例えばオフィスビルを活用したエネルギーの技術実証や、IoTセンサを活用した医療機関でのサービス実証、公道での自動運転車の走行や、EV車の走行中給電などです。

柏の葉スマートシティは、いち企業では取り組むのが難しいことも「試せる街」なんです。それが実現できるのは、公民学連携のもと、面的な開発が行われ、地域住民の方々やステークホルダーの方々とよいコミュニティを形成しているからです。これらが、他の街にない大きな差別化ポイントです。

— 6つの重点テーマを定めた背景は?

光村氏:6つの重点テーマ(脱炭素・エネルギー、防災、移動・交通、医療・ライフサイエンス、ヘルスケア・健康、スポーツ・エンタメ)は、今、三井不動産として、また柏の葉のスマートシティとして注目しているものです。

最近では多くの大企業がスタートアップ連携に取り組んでいますが、なぜそれに取り組むかという目的が不明確だったり、大企業側が獲得するものが曖昧なままだったりという課題があります。ときに、「スタートアップに対して献身的に支援する」という大企業もいますが、率直に言えばそういう姿勢は長続きしません。いずれ、社内で大企業としてのメリットが問われ、活動が縮小していくからです。大企業としてやりたいこと、実現したいことが明確にあり、それを実現するための対等なパートナーシップをスタートアップと結ぶというのが、やはり本質的だろうと私は考えています。

そのためには、我々が柏の葉スマートシティで実現したいことをしっかり示すことが大事だと思っており、それをまとめたのが6つの重点テーマです。スタートアップの皆さんにとっては、三井不動産のためにやるのではなく、自分たちのためにやるで構わないのですが、同じ船に乗る、そういうパートナーシップをちゃんと築いていきたいです。

このプログラムは三井不動産にとっては、新産業創造のためのパートナー探しです。この街の強みやユニークさを生かして、スタートアップの皆さんと「ともに成長する」ということを目指したいと思っています。我々は本気のパートナーシップを築ける企業を求めています。


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