積年の課題に向き合い、事業成長の糧とした1ヶ月

株式会社MamaWell　代表取締役　関 まりか 氏

柏の葉の新産業創造を牽引するスタートアップ支援「KOIL STARTUP PROGRAM 2023」では、4社のスタートアップを迎え入れ、各社の事業成長をハンズオンで後押ししています。

今回は、ウェアラブルデバイスとアプリを活用した助産師伴走型サービスで母子の健康をサポートする「株式会社MamaWell」代表取締役の関まりか氏に、TEPビジネスプラン作成セミナー（以下「セミナー」）の感想や1か月間メンタリングを受けての印象、その後のプログラム期間の意気込みを伺いました。

フィードバックと改善を繰り返し、課題だったプレゼン力を強化

―― どのような課題感からKSPに参加したのでしょうか？

臨床助産師経験後、大学院に進学して研究し、起業するというキャリアを歩んできた自分には、経営の視点が非常に不足していると感じていました。発信力や影響力を高めようと思ってもビジネス経験の乏しさから困難を覚え、「ビジネスプランをこのまま進めて良いのか」という漠然とした不安も抱えていました。

そういった理由からアクセラレータープログラムを探していたとき、TEPでお世話になっていたメンターの方からKSPをご紹介いただきました。今の時代、アクセラはいくつも開催されていて、どれに参加すべきか判断するのは難しいものですが、MamaWellの事業や私自身のことをよく知る方が勧めてくれるならきっとためになるだろうと思い、応募しました。

―― セミナー期間の中で一番印象的だったことを教えてください。

DAY1・DAY2で行われた1泊2日の合宿です。私はどちらかというとふわっとした気持ちでプログラムに臨んだのですが、合宿が始まってみると「なんだかすごいものに参加してしまったぞ」と（笑）夜の12時前までメンタリングを受け、文字通り一日中頭を動かしました。長い時間メンターや他の参加者の方々と共に過ごし、対話を重ねる中で、これまでになかった視点を得られたと思います。

1日目のメンタリングをもとに2日目はブラッシュアップに取り組んだのですが、ほかの参加者の方が見事に構想を磨き上げておられるのを見て、大きな刺激を受けました。やはり、こういう環境にいないとだめなんだなと実感しましたね。

―― セミナーを受けてみて、浮き彫りになった課題はありましたか？

ずっと自覚はあったのですが、プレゼン力不足を改めて実感しました。毎週のようにプレゼンをしてフィードバックを受ける中で、特に刺さったのは「一方通行の挨拶で終わっていて、さらにこのあと聞きたいと思えない」という一言です。「このままの自分だったら上を目指せない」と思いました。

元来、私はたった数人の前で話すだけでもかなり緊張する程度のあがり症です。起業するまでは、いかに人前に立たずに済むか考え続けてきたんです（笑）プレゼンのときにも、ずっと原稿が手放せませんでした。

しかし今回「原稿を読んでいる感じがあると、聞き手の心に何も届かない」と指摘され、メンター陣によるアドバイスをもとに内容と話し方も改善しつつ、原稿なしで想いを伝える訓練を重ねました。その結果、最終プレゼンでは原稿を一切見ずに最後まで話すことができました。

―― 最終プレゼンでは、見事1位を獲得されましたね。

まだまだもっと改善すべき点は山積みなので、プレゼン力向上には引き続き取り組みたいと思っています！

包み隠さず相談できるメンターとの出会いが大きな収穫

―― 1か月間どのようなメンタリングを受けてきましたか？

週に1時間程度、オンラインでメンタリングを受けました。タイムリーな悩みを相談して助言をもらう形でした。

担当メンターの方をメインに複数名のメンターが必ずメンタリングに参加してくださるので、いくつもの意見から「これ、いい！」と思うものを選んで行動に移すことができました。各メンターが注目する最新動向も共有していただけて、大変助かりましたね。

また、メンターがMamaWellの強みをさまざまに言語化してくださったおかげで、どの魅力をどのように押し出していくべきか、事業の核となる部分を改めて深く検討できました。

―― メンターの方々の印象はいかがですか？

初日から初対面とは感じられない親身な接し方をしてくださったので、初めて会ったときから悩みをどんどん打ち明けられました。

各所で「相談に乗るよ」と言っていただくことがありますが、相手との関係によってどこまで話していいか悩むところがあります。しかしKSPのメンターの方々は、ご自身の状況も開示して話を聞いてくださるので、包み隠さず相談でき、今後も長期間お世話になりたいと思えるメンターに出会えたのは、非常に大きな収穫でした。

―― 今後約4か月間のプログラムを通して、どのような姿になっていたいですか？

これからは自分が「起業家」ではなく「経営者」になっていかないと、会社が存続しないと考えています。マイルストーンやKPIなど定量的な目標を設定し、戦略的な意思決定ができる人になっていたいと思います。

業務量が増えたこともあり、8月からは従業員採用にも取り組みます。MamaWellとして一致団結して成長できるよう、チームを引っ張っていきたいですし、それができる環境を整えていきたいと思っています。

KSPの副賞で1年間KOILを利用させていただけることになって、KOILの環境の良さに感激しています。気分に合わせてワークスタイルを選べるのが特に気に入っていて、無料期間が終わっても会員を継続したいと思っています。次年度以降、機会があれば柏の葉スマートシティの実証実験にも取り組みたいと思っており、コンソーシアムの組み方など柏市さんや三井不動産さんと相談しつつ、地域とのつながりを活かして事業を成長させていけたらと思います。

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